天下りの塔 事業仕分けにため息…農水26法人が入居(毎日新聞)

 中央省庁が集まる東京・霞が関にほど近い港区内に、公務員OBらが「天下りの塔」と呼ぶビルがある。3月時点で農林水産省所管の26公益法人が入居し、その一つの財団法人が所有・管理する。このうち25法人に98人が役員として天下り、国から流れ込む補助金なども13法人で約800億円と巨額だ。事業仕分けを前にビル内を歩くと、「天下り法人」に対する批判への反発とあきらめの声が交錯していた。

 「三会堂ビル」(地下3階地上9階建て)。明治16(1883)年、大日本農会、大日本山林会、大日本水産会の合同事務所として開設され、8年後に現在地に移った。3団体はそれぞれの分野で最も歴史のある社団法人で、「三会」とも呼ばれる。ビルには他省庁所管の公益法人や企業も入るが、多くは農水関係の公益法人だ。

 大日本水産会には昨年9月、汚染米事件で引責辞任した白須敏朗・前農水次官が常勤の会長として就任。会長の報酬は年1860万円。ある理事は「三会は『特権さん』の天下りの指定席」と話す。

 ビルを所有する財団法人・農林水産奨励会の設立目的も「三会」の3法人の支援だ。奨励会が08年度に受け取った賃料約15億円のうち約1億6000万円は、助成金として3法人に還流された。

 総務省公表の資料によると、26法人中17法人は専務理事など同じポストへの天下りが5代以上続く。ビルの法人同士で役員を兼任し合うケースもある。

 だが、公益法人改革の荒波はこのビルにも押し寄せる。昨年の事業仕分けでは、大日本水産会が保有する「漁船漁業構造改革総合対策基金」など3基金が「ため込む必要はない」という批判を浴びて廃止され、約620億円を国庫に返納することが決まった。農業後継者を紹介する番組を制作していた農林放送事業団は3月に解散。元幹部は「事業仕分けも怖かったが、農水省からの補助金が減った」と理由を説明する。

 批判を受ける法人の理事は「必要な事業と思っている」と語気を強める。だが、奨励会の幹部は「空き室が埋まらない状況で経営は厳しいが、どの団体もスリム化を迫られ、賃料の値上げなどできない」。ある法人の幹部は「解散を検討している」と明かした。【三沢耕平】

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