津波の爪跡生々しく…チリ地震後の写真発見(読売新聞)

 1960年のチリ地震による津波が青森県八戸港周辺を襲った時の写真50枚が、八戸海上保安部で見つかった。

 当時の八戸海保職員が撮影したもので、津波直後の生々しい爪跡を記録している。身近な場所が津波でどうなったかを知り、住民に津波防災への意識を高めてもらおうと、同海保は近く、写真を一般公開する予定だ。

 チリ地震は1960年5月23日に発生。マグニチュード9・5と史上最大規模の大地震で、津波は震源地から約1万7000キロ離れた日本の太平洋沿岸にまで到達、死者・行方不明者142人を出した。八戸市でも高さ数メートルの津波が押し寄せ、被害は死者・行方不明者3人、重傷者2人、建物の全半壊128戸に達した。

 写真が見つかったのは昨年12月。同海保職員が倉庫の整理中に古ぼけたアルバム2冊を見つけた。

 砂浜や川岸に打ち上げられた漁船、壊れた家を前に途方に暮れる人々、津波が引く際に姿を現した海底をのぞき込む住民――。月日を経て色がはげたりした白黒の写真には、50年前の津波災害の生々しい被害の様子が収められていた。

 撮影したのは当時八戸海保警備救難課員だった加藤浩さん(73)(千葉市在住)。写真が見つかったとの海保の部内紙を読み、「自分が撮った」と名乗り出た。

 津波襲来直後に八戸港の海保庁舎に駆けつけたところ、1階は波に洗われて水浸し。無事だった2階にあったカメラを手に、翌日の朝までほぼ24時間かけて現場を歩き回ったという。

 フィルムは5本しかなく、フィルムが切れた後は、惨状を目に焼き付けた。加藤さんは「港に浮かんでいた船が陸に打ち上げられてひっくり返り、本当に地獄のようだった」と振り返る。

 同海保は、八戸市水産科学館「マリエント」で近く写真を公開する予定。同海保の佐藤秀彦・管理課長は「当時は、津波速報を知ることができず、市民も不安だったと思う。写真を見て津波への備えをしてほしい」と話している。(森山雄太)

【from Editor】今年は青森がブレーク?(産経新聞)
<人工歯根>豊橋市保健所に問い合わせ殺到 使い回し疑惑で(毎日新聞)
<自殺者>12年連続で3万人超す 09年(毎日新聞)
生後数日の女児を玄関先に置き去り 東京・大田区 (産経新聞)
組幹部殺害容疑で男再逮捕=金銭トラブルが背景か−警視庁(時事通信)

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。